さて、先日に引き続き今回もニュージーランドの基礎知識編。
今回は各地方の気候や気温についてです。
例えば、「クイーンズタウンの緯度は稚内と同じくらい」とか「オークランドの冬は雨ばかり」などと聞いても、実際にニュージーランドに来たことない方にはなかなか想像しづらいですよね。
実際には気候帯の違いや湿度などの関係で、日本と似ているようで似ていない、でも過ごしやすい気候なのではないかと思います。
今回は、ニュージーランド全体でザックリといえる特徴から、各地方のだいたいの気候までご説明します。
参考サイトは、前回に引き続きの 100% Pure New Zealand と、気候について詳しい NIWA(the National Institute of Water and Atmospheric Research) です。
全国的な気候の概略
ニュージーランドってどんな気候?と聞かれて、ざっくり全国的に通用するのはこんなところでしょうか。
日本よりは涼しめです
一年の平均気温は南島の南部で10℃、北島の北部で16℃です。
各季節の寒暖差もあまりない代わりに、一日での体感気温がかなり変わります。
日本と四季が逆転します
日本とはほぼ真逆ですが、ニュージーランドでも春夏秋冬を感じられます。
一番暖かいのが1月~2月、反対に一番寒いのが7月くらいとなります。
湿度が低めです
地域差はありますが、全体的に日本よりは比較的湿度が低めになります。
一日での体感気温差がかなりあったり、日向では暑いのに日陰では寒い…という現象が頻繁に起こるのも、湿度が低いことが関係しています。
ニュージーランドでは一日に四季があるといわれる所以です。
紫外線が強いです
俗に紫外線量は日本の7-8倍ともいわれています。
日焼け云々よりも健康のために、晴れた夏の日だけでなく冬や曇りでも日焼け止めは常備しておきましょう。
各地方の気候
ここからは、各地方の気候について簡単に説明していこうと思います。
当たり前ではありますが、前回の 人が分けた地域区分 と 気候における地域区分 は違うんだなとちょっと感心してしまいました。
100% Pure New Zealandのサイト では各地域の気温と降水量がグラフで見られますが、地域によって左の目盛りが変わるのでご注意くださいね。
北ニュージーランド
主な都市:カイタイア・ファンガレイ・オークランド・タウランガ
亜熱帯性気候帯に位置し、一年を通して暖かな印象です。
夏の最高気温は22℃~26℃、冬の最高気温は12℃~17℃です。
夏も湿度は他地域に比べて高めですが、冬は雨が多く落ち着かない気候になります。
夏と秋には強風や大雨がやってくることがあります。
北島中央部
主な都市:ハミルトン・タウポ・ロトルア
内陸部に位置しているため、気温の変化が大きめなのが特徴です。
夏の最高気温は21℃~26℃、冬の最高気温は10℃~14℃です。
南と東に山があるため、風は他の地域に比べて穏やかですが、夏のタウポやロトルアでは湖からの風が吹くことがよくあります。
北島南西部
主な都市:ニュープリマス・ファンガヌイ・パーマストンノース・ウェリントン
気温の変化はあまり大きくありませんが、強風に晒されることの多い地域です。
夏の最高気温は19℃~24℃、冬の最高気温は10℃~14℃です。夏でも30℃を越えることはめったにありません。
冬はニュープリマス・ファンガヌイ近辺は穏やかですが、パーマストンノース・ウェリントンでは冷え込みが多くなります。
内陸部のパーマストンノースの辺りは曇ることも多く、日照時間が短めです。
北島東部
主な都市:ギズポーン・ネイピア・マスタートン
他地域に比べても湿度が低めで日照時間が長めです。
夏の最高気温は20℃~28℃で乾燥していることが多く、時折30℃を越えることもあります。北島での観測史上最高気温はこの地域のルアトリアで記録された39.2℃です。
冬の最高気温は10℃~16℃で、この地域の北部は比較的暖かめ、南部は寒めになります。
風は西から、雨は東もしくは南東からやってくることが多いです。
南島北部
主な都市:ネルソン・ブレナム
ニュージーランドの中でも一番日照時間の長い地域です。
夏の最高気温は20℃~26℃で乾燥しており、30℃を越えることもあります。
冬の最高気温は10℃~15℃で、霜が降りることはありますが比較的穏やかです。
晩冬から初春にかけて天候が不安定になることが多いです。
ネルソンは他の都市に比べても風が少なく、気温も海からの風で和らげられることが多いです。
南島西部
主な都市:ウェイトポート・ホキティカ・ミルフォードサウンド
東側を山脈に阻まれ、西側を外界に面しているこの地域は年間降水量の一番多い地域です。
夏の最高気温は17℃~22℃で25℃を越えることもあまりありません。冬の最高気温は10℃~14℃で、霜が降りる日も多いです。
この地域の北部は北東風が、南部では南西風が良く吹きます。
南島東部
主な都市:カイコウラ・クライストチャーチ・ティマル
西に南アルプスの山脈がそびえ、気候に影響を及ぼしています。年間降水量は少なめです。
夏の最高気温は18℃~26℃で比較的穏やかですが、乾燥が長く続き、偏西風によって高温になることがあります。ニュージーランドの観測史上最高気温は、この地域のランギオラで観測された42.4℃です。
冬の最高気温は7℃~14℃で、霜が降りることが多いです。
南島内陸部
主な都市:テカポ湖・クイーンズタウン・アレキサンドラ・マナポウリ
年間降水量が少なく、特に夏は乾燥が長く続きます。
夏の最高気温は20℃~26℃ですが、午後は特に暖かく30℃を越えることもあります。冬の最高気温は3℃~11℃です。寒さは厳しく、霜が降りる日も多いです。また降雪が何日も続く日もあります。
ニュージーランド南部
主な都市:ダニーデン・インバーカーギル
南極に近いこの地域は南や南西から冷たい風がやってきます。
夏の最高気温は16℃~23℃ですが、北西からの風によって30℃を越えることもあります。冬の最高気温は8℃~12℃と寒く、降雪は少ない代わりに霜が多く降ります。
日照時間は比較的短めで雲がかかっていることが多いです。
アルプス地域(山岳地帯)
主な都市:マウントクック
全般的に寒冷な地域で、強風だけでなく大雪に見舞われることもあります。冬季には根雪がおりる地域もあります。
夏は比較的落ち着いた気候ですが、冬は晴天でもとても寒くなります。
冬と春には気候が荒れることが多くあります。
温度だけでは測れないことも
日本からニュージーランドに来る人に「どんな服装をしていったらいいですか?」と聞かれることがあります。
その方がどこに住んでいるか分からないと気温差をどのように感じるかはなかなか分からないのですが、記事でも書いた通り一日の中での体感気温はずいぶん変わります。
そのため、暖かめの服装/涼しめの服装というよりは 脱ぎ着しやすい/重ね着しやすい服装 にした上で羽織るものをお持ちいただくのが一番良いかと思います。
最後に一番大切なことを。
ニュージーランドの天気予報は当てになりません
晴れの予報の日でも、シャワーと呼ばれるにわか雨が降ったりすることは当たり前のようにあります。また天気予報自体も晴/曇/雨/風のマークが混在していたりして、もはや何を信じていいのか…。
それでも日本の人は慣れている方だと思いますが、ヨーロッパ内陸部の方から来た人たちなどは天候は安定しているのが普通だったりするそうで、ニュージーランドの天気予報が信じられない…ことが信じられないのだそうです。
ちなみにニュージーランドの人からよく使う天気予報サイトを聞きましたので載せておきますね。
MetService(Meteorological Service of New Zealand)
日本でいう気象庁的なサービスです。ニュージーランドのテレビなどでやっている天気予報もここの提供です。
なんとこちらはノルウェーのサービスですが、MetServiceよりもこちらが当たる!と話している方がいました。
両方ともアプリも出ています。ニュージーランドを旅する際には参考にされてはいかがでしょうか。
感想・リクエストお待ちしています
ニュージーランドの基礎知識として他に知りたいことや、私はこの天気予報サービスを一番信頼している!などの情報をお持ちでしたら是非お知らせください。
今年の夏が待ち遠しいですね!