こんにちは、はっしー(@hassy_nz)です。
皆さんは「サンドフライ」という虫をご存知でしょうか?
日本では名前を聞いたこともない人がほとんどだと思いますが、ニュージーランドの生活では割と身近な生き物です。
夏になると現れる小さな虫で、人の血を吸いに来ます。そして、噛まれるとひたすらかゆい。
今回は、ニュージーランドで暮らすなら知っておきたい「サンドフライの基礎知識」について解説していきます!
サンドフライってこんな虫
ではさっそく写真をご覧いただきましょう。こちらがサンドフライです。
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……すみません、リアルな虫の写真をお見せするのに躊躇してつい「おどるクマのイラスト」を載せてしまいました。
気を取り直して言葉で説明すると、「フライ」という名前の通り、ハエの一種です。
その姿はとても小さく、体調数mm程度。ごま粒くらいだと想像してください。
ニュージーランドには19種類のサンドフライが生息しており、そのうち3種類が人間の血を吸います。なお、血を吸うのはメスだけです。
実際の写真が見たい方は、下の「写真を見る」をクリックすると出てきます。気になる方はどうぞ。
サンドフライに噛まれるとどうなる?
先日、自分が肘のあたりをサンドフライに噛まれたときの写真をお見せします。
……と思いましたがこちらも見たくない方がいるかもしれないので、見たい方のみ下の「写真を見る」からどうぞ。
噛み跡(小さな赤い点)を中心に、ぷくっと腫れているのがわかるかと思います。これがまぁ、かゆいのなんの。痛さを伴ったかゆみが、数日〜一週間くらいずーっと続くのです。
足の甲を数カ所まとめて噛まれたときは、かゆさのあまり、かきむしりすぎて流血してしまいました。
中には激しいアレルギー反応を起こして、パンパンに腫れてしまう人もいるそうです。
サンドフライはどんな場所にいる?
サンドフライがいるのは、主に水辺です。砂浜や川、湖の近くでよく見かけます。アウトドア活動に出かけるなら対策は必須です。
有名な観光地では、南島のミルフォードサウンドにたくさんいますね。あとはネルソンレイクスやマルイアスプリングスでもたくさん飛んでいるのを見ました。
オークランドやクライストチャーチなどの都会で生活しているぶんには、サンドフライに出会うことはまずありません。
サンドフライを防ぐにはどうすればいい?
肌を出さない
基本ですね。半袖短パンのような無防備な格好では、総攻撃を受けて血だらけになります。
水辺に遊びに行くときはなるべく長袖を着て、暑くなったら腕まくりする運用でいきましょう。
虫除けを使う
スーパーや薬局などで、簡単に虫除けが手に入ります。サンドフライ除けに特化した商品もあるので使ってみましょう。
日本で売られている虫除けはあまり効果がないので、ニュージーランドで売られているものを使うのがおすすめです。
よく「自然成分由来の虫除けは効かない」という話も聞きますが、効き目には個人差があるので、いろいろな製品を試してみてください。
ちなみに僕は「Goodbye Sandfly」というそのものズバリな名前のものを使っています。
サンドフライの活動が鈍る条件を知る
サンドフライはいつでもどこでも飛んでいるというわけではありません。彼らが好まない時間帯や場所を知っておけば、襲われにくくなります。
それがこちら!
- 冬
- 日没後
- 風の強い場所
サンドフライは夏の生き物。日本の蚊のように、冬場になればグッと数が減ります。
昼間にしか飛ばないので、夕方以降になると見かけなくなりますね。夜中、寝てる間に噛まれることはまずありません。
また飛ぶ力が弱いため、風が強い日は噛まれにくいです。大きな滝の近くなども風圧でサンドフライが寄ってこれないので、ハイキングなどでサンドフライを気にせずゆっくり休憩したいときは、滝を探すといいですよ。
結局のところ、慣れるしかない!?
いろいろと対策をご紹介してきましたが、どれだけ工夫しても完全にサンドフライを防ぐのは無理です。
彼らはとにかく数が多く、音も立てずに飛んでくるので、逃げ切るのは至難の業なんですよね……。
正直、「めちゃくちゃ噛まれる」が「ちょっとだけ噛まれる」に減るくらいのものだと思ってください。
何度も噛まれていると免疫がつくのか、多少噛まれるくらいなら動じなくなってきます。
結局は「慣れ」が一番の特効薬なのかも?
「サンドフライは神様の使い」というお話
ここまで散々サンドフライを厄介者扱いしてきましたが、最後にちょっとだけいい話を。
実は、ニュージーランドの先住民・マオリ族の神話によると、サンドフライは神様の使いだとされているんです。
それはこんなお話。
死の国の女神「ヒネヌイテポ」は、ある日、南島の美しい入り江(※ミルフォードサウンドなど)を目にした。
あまりの美しさにヒネヌイテポは、もし人間がここにたどり着いたら、気に入って二度と離れようとしないのではないかと考えた。
そこで彼女はサンドフライを創り出し、人間がこの美しい場所に長居しないようにしたのだった。
個人的には「なんて余計なことを……」という思いもしますが、ただでさえ美しい自然にあふれ、人間を襲う危険生物もいないニュージーランドにサンドフライのような虫までいなかったら、完璧すぎて人で溢れかえってしまうでしょう。
人間の行き過ぎた侵入を防ぎ、きれいな風景を守るために、いまでもサンドフライはその役割を果たし続けている……のかもしれません。
(参考: Sandflies | Ministry of Health)