発表から約4週間経ち、やっと2021 Resident Visa第1フェーズ組に向けての詳細が出てきました。
なかなか判断が難しい相談も多くあったので、この詳細が少しは役に立つと良いのですが。
注:2021年10月29日時点での情報です。明記がない限り、日付は2021年のものとなっています。通常、英単語は可能な限り日本語表記にするのですが、今回はビザの種類や対象者の混乱を避けるために部分的にカタカナ表記をしています。
2022年2月3日追記あり。
対象者(Eligibility)
対象となるには:
2021年9月29日にニュージーランドに滞在していて、2021年9月29日までにビザを保持しているもしくは申請した方。
更に下記のいずれかを満たす必要があります。
- 3年以上ニュージーランドに滞在している;もしくは
- 時給中央値(27ドル)以上で働いている;もしくは
- 人材不足分野で働いている
フェーズ
第1フェーズ
第1フェーズの申請は12月1日から受付が始まります。
この第1フェーズの対象となるのは:
- 9月29日当日もしくはそれ以前に、17歳以上の子どもを含んだEOI申請を行った者;
- SMC申請でのレジデンスの審査を待っている者;
- レジデンスフロムワーク(以下RfW)の審査を待っている者。
第2フェーズ
第2フェーズの申請は2022年3月1日から受付が始まります。
この第2フェーズの対象となるのは:
- 第1フェーズの対象外だった者(クリティカルパーパスビザ保持者を含む)
クリティカルワーカー
9月29日時点でクリティカルパーパスビザを保持している、もしくはその日以降に6ヶ月以上の期間で同ビザが発給されてニュージーランドに入国する者が対象となり得ます。
対象者は、後述する「滞在期間条件」、「時給条件」、「人材不足職業リスト条件」を満たす必要はありません。
看護師
対象となるのは、看護師として働くためにクリティカルパーパスビザを取得して尚且つ:
- CAPの合格と協会への登録を終えた者;もしくは
- 9月29日以前に申請対象となっているワークビザに移行していて、尚且つ「滞在期間条件」、「時給条件」、「人材不足職業リスト条件」のいずれか1つを満たせている者
第1フェーズ申請条件
日付条件
第1フェーズ申請者は、以下の両方の日にちに申請条件を満たしている必要があります:
- 9月29日(2021レジデントビザの発表前日);と
- 2021レジデントビザの申請日
それぞれの日付で異なる申請条件を満たしていても、申請対象であることには変わりません。
例えば、9月29日に「時給条件」を満たしていて、ビザ申請日には「人材不足職業リスト条件」を満たしている場合も、申請対象となります。
滞在場所条件
主申請者は9月29日にニュージーランドかオーストラリアに滞在しているか、同日後にクリティカルパーパスビザが発給されている必要があります。
現在オーストラリアに滞在している対象者は、ニュージーランドを4月6日から7月23日までの間に出国したという証明が必要です。
また、2021レジデントビザ申請者は、申請時にニュージーランド国内に滞在している必要があります。
追記:この文面は現在移民局のページから削除されています。従って、ニュージーランド国内滞在必須の条件はありません。
下記が削除された原文:
If an applicant leaves New Zealand after submitting their application, their 2021 Resident Visa will be put on hold until they re-enter New Zealand. Entry to New Zealand is currently restricted to those who meet the border exception criteria.
注:オーストラリアの表記が出てきましたが、これはトラベルバブル(隔離なし渡航)が有効な時期に移動をした人を対象にしているためです。
滞在期間条件
滞在期間条件を満たすためには、
- 2018年9月29日以前にニュージーランドに入国していて;尚且つ
- それ以降の3年間の内75%以上(821日間)滞在している必要があります。
移民局は旅行記録を利用し、この条件を満たせているか確認します。
そのため、申請者側からこれを証明する証拠の提出は必要ありません。
時給条件
時給条件を満たすためには、9月29日時点に加え2021レジデントビザの申請時に:
- 通常時(※)に平均最低週30時間の就労をしていて、尚且つ
- 通常時に最低NZ$27の時給を受け取っている必要があります。
(※)通常時:コロナ禍のロックダウン期間を除くという意味で「通常時(normally)」という表現が使われています。
一時的にコロナの影響を受けている申請者は、コロナ以前は条件の時給が支払われていたという証明が必要となります。
尚、補助・手当・コミッション・ボーナス等は時給の一部として認められないのでご注意ください。
自営業をしている場合は、今まで継続的に仕事があったという履歴と現行の契約があることを証明することによって申請対象となり得ます。
証明書類:
- 雇用契約書、もしくは支払いと労働時間を証明する雇用主からの手紙;に加え
- 銀行口座の明細、もしくはIRDのサマリー、または給与明細
時給がNZ$27未満の方でも「人材不足職業リスト条件」を満たせていれば申請対象となり得えます。
人材不足職業リスト条件
人材不足職業リスト条件を満たすためには、9月29日時点に加え2021レジデントビザの申請時に:
- 通常時(※)に平均最低週30時間の就労をしていて、尚且つ
- 人材不足職業リストに記載されている職業で働いている必要があります。
(※)通常時:コロナ禍のロックダウン期間を除くという意味で「通常時(normally)」という表現が使われています。
一時的にコロナの影響を受けている申請者は、コロナ以前は平均最低週30時間の就労を行っていたという証明が必要となります。
人材不足職業リスト:
- Long Term Skills Shortage List
- Jobs requiring occupational registration in the health or education sector
- Personal carers and other critical health workers
- Specified primary sector roles
証明書類:
- 雇用契約書、もしくは支払いと労働時間を証明する雇用主からの手紙;に加え
- 該当する場合は、協会への登録証明
家族
ニュージーランド国内に限らず、国外に滞在しているパートナーや子どもは、扶養家族として申請に含めることが可能です。
25歳以上の子ども
9月29日以前に申請したSMC・RfW・EOIに子どもとして含まれていたとしても、主申請者の扶養家族として2021レジデントビザの申請に含めることは出来ません。
しかし、親・保護者のレジデントビザに紐づけする形で、子どもが主申請者となってオンラインで申請を行うことが可能です。この場合、追加の費用は発生しません。
以下の条件を満たせば、25歳以上の子どもにもビザが発給されます:
- 犯罪歴がなく健康に問題がないこと;尚且つ
- 親・保護者に2021レジデントビザが発給されていること
パートナー
主申請者のパートナーとして2021レジデントビザの発給対象となるためには、12ヶ月以上安定した関係で同棲していることに移民局が納得する必要があります。
コロナ禍により、同棲が一時的に中断しているなどやむを得ない状況があることは移民局も理解しているため、そのような場合は2人の軌跡やその他関係を示す書類や証拠から、パートナーとして認めるかどうかを判断するとのことです。
尚、主申請者と今まで同棲したことがない、もしくは一度も会ったことがない人は、パートナーとして2021レジデントビザを申請することは出来ません。
健康条件
2021 レジデントビザでは限定的な健康診断を用いて、健康条件適応免除の対象外となる病気の有無が確認されます。
以下に当てはまる申請者は健康診断証明書の提出が必要となります:
- 過去最低36ヶ月以内に移民局に健康診断証明書を提出していない場合;もしくは
- 健康状態に変化があった場合;もしくは
- 過去の申請で、健康状態が問題視されたり健康条件を満たすことが出来なかった場合
犯罪歴
懸念事項がない限りは、海外からの無犯罪証明書の提出は必要ありません。
ニュージーランドの無犯罪証明書は移民局が直接入手するので、申請者が取得する必要はありません。
費用
2021レジデントビザにかかる費用は合計でNZ$2160(消費税込み)となっています。
内訳は、ビザ申請料のNZ$1330と、移民局の手数料NZ$830とのことです。
第1フェーズ申請者は既にEOI・SMC・RfWで申請料を支払っているので、2021レジデントビザ申請時には費用を支払う必要はありません。
後日2021レジデントビザの仮結果が出た段階で、申請者は費用を支払うことになります。
SMCを申請済みの場合、それを取り下げる代わりに、SMCの申請料と2021レジデントビザの申請料の差額が移民局から返金されます。
RfWかEOIを申請済みの場合、それらを取り下げる代わりに、ビザ申請料と2021レジデントビザの申請料の差額を移民局に支払うことになります。
SMC・RfW・EOIを申請済みで、これらの申請を取り下げずに2021レジデントビザも申請する場合は、NZ$1330の支払いが必要となります。この費用は、両方のビザ申請を審査することから発生するとのことです。
ビザの条件
2021レジデントビザの条件は、一般的なレジデントビザと同じ条件となります。
Resident visa travel conditions | Immigration New Zealand
申請方法
2021レジデントビザの申請用紙は12月1日からオンラインで入手可能です。
SMC、EOI、RfWを申請している場合は、それらの申請番号を2021レジデントビザの申請用紙に明記する必要があります。
申請期限
2021レジデントビザの申請は2022年7月31日まで申請可能です。
大方の申請は12ヶ月以内に結果を出すように処理される見込みとなっていて、申請によっては短期間で結果が出る予定とのことです。
ご不明な点等は弊社にご連絡ください。
Power In Numbersは、ビザ専門家のイミグレーションアドバイザーの会社です。
ビザ申請サポートだけではなく移住相談や留学の相談も承っています。
お気軽にこちらまでメールをしてください。