今年は急な変更がとても多く、何度プランを立ててもその都度作り直しになってしまいなかなか思うように進みません。
もちろんそれはビザ申請の準備を進めている方、ビザを保持している方も同様で先行きの不透明さが移民全体に暗い影を落としています。
ということで、今回は7月下旬に発表された変更点のEssential Skills Work Visa(ESWV)の一時的な規定の緩和について書いていきます。
政府の公式の発表はこちらから、移民局の発表はこちらから確認出来ます。
変更点
時給中央値未満のポジションでの申請
2021年7月19日より、時給中央値(27ドル)未満のポジションでのビザの発給期間が12ヶ月ではなく最長24ヶ月の発給となります。
時給中央値以上のポジションには変更がなく、最長3年間の発給となっています。
一部のESWV申請プロセスの簡易化
しばらくの間、ESWV申請プロセスが簡易化されます。
大きな変更点は、
- 既に就いているフルタイムポジションを継続してビザ申請をする場合、雇用主による現地人に適した人材がいなかったという証明(レイバーマーケットテスト)をする必要がない(求人広告を出す必要がなくなる)。
- 申請者が過去に無犯罪証明書及び健康診断を提出済みである場合、これらの書類を再度提出する必要がない。
となります。
新たなポジションや空いているポジションでビザ申請を行う場合は、レイバーマーケットテスト及び無犯罪証明書と健康診断が必要となりますのでご注意ください。
この規定は、ワーキングホリデービザも含む全てのタイプの就労ビザ保持者に適用されます。
2021年8月現在、この規定の緩和は2022年中頃まで継続予定となっています。
新たなワークビザへの移行
この発表と同じタイミングで新たなワークビザの開始も来年中頃へ延期となりました。
準備が進んでないのかもしれない……
申請時の注意
2021年8月29日までは紙媒体での申請となるので、こちらの申請用紙をご利用ください。
雇用主は最新版のEmployer Supplement Formを利用し申請するようにしてください。
この変更の背景
既に働いている方達へワークビザを積極的に発給し、経済活動を滞りなく継続していくことが今回の変更の目的です。
いつ行われるか予測がつかない「ビザの期間延長」ではなく、既存の移民労働者に積極的に「最低2年間」の滞在を保証することで、安定して滞在を続けてもらおうということですね。
7月の国外へ出た人数は、国内に入った人数より3000人程多くなっていますし、6月のデータではワークビザを保持していた2283人が国外に出ています。
このことからも、国を支えていた人材の流出が止まらない現状が見えてきます。
この流出は先行きの不透明さだけではなく、就労ビザやSMCレジデンスビザの収入規定額の上昇や審査の遅れも影響しています。
この流出に歯止めをかける為に今回の「緩和」が行われました。
でも、本気で流出を止めたかったらやっぱり先日国民党のジューディス・コリンズが話していたように、このコロナの時代を支えた移民に居住権ビザの発給を進めていく方が良いとは思います。
たとえそれがイミグレーションアドバイザーの仕事をなくすことになろうとも……笑
申請がしやすくなったのは凄く良いことなので、迷っていた方や今のビザの期限が近い方は積極的にこのプロセスを利用してくださいね!
Power In Numbersはイミグレーションアドバイザーの会社です。
ビザ申請だけではなく、移住相談や留学の相談も承っています。