こんにちは、現在車でニュージーランド一周中のはっしー(@hassy_nz)です。
日本では見られない多数の野生動物に出会えるのもニュージーランド旅の魅力のひとつ。
旅の途中で知り合った観光ガイドの方から「野生のアシカに出会える場所がある」と聞いたので、楽しみに訪れてみました。
そしたらいましたよ。恐怖を感じるほどデカイのが。
南島の僻地「スーラットベイ」
ニュージーランドを北から南へ貫くハイウェイ1号線から脇道に入り、海沿いの道を車で20分、さらに未舗装の砂利道を走ること10分。土地に慣れない身には不安になるほど辺鄙な場所にあるのが、今回の目的地「スーラットベイ」です。
地図で見るとここ。
「NO EXIT(この先行き止まり)」と書かれた、特に民家などない道を延々走らされるので、本当にあってるのか何度もナビを確認してしまいました。
周辺にはバックパッカーズなどの宿が数件あり、滞在することもできます。相当な僻地ではあるものの車で10分も走ればスーパーマーケットやカフェまでたどり着けるので、見た目ほど不便な場所ではありません。
世界で最も希少な「ニュージーランドアシカ」
アシカが見られるというのが、今回泊まったバックパッカーズのちょうど目の前にあるこちらのビーチ。
宿の管理人さんによれば、干潮時にはかなりの距離に渡って砂浜が現れるので、歩いていけば高い確率でアシカに遭遇できるといいます。
ちなみに、この周辺に生息しているのは「ニュージーランドアシカ」と呼ばれる種類で、世界で最も希少なアシカとされています。
かつては多くの個体が暮らしていましたが、毛皮や脂を目的とした乱獲のため、その個体数は大きく減少。
保護活動によってやや個体数は回復したものの、生息数はせいぜい1万頭前後と見積もられており、世界の動植物の保全状況を記した「IUCNレッドリスト」でも絶滅危惧種に指定されているのです。
そんなレアなアシカの野生の姿が見られるなんて、なんと貴重な経験! ぜひともその姿を拝んでみたいものです。
早速一頭のアシカを発見!しかし……
潮が引いたタイミングを狙ってアシカウォッチングに出かけてみました。
この日はあまり天気が良くなく、冷たい風が吹き気温も下がり、まるで真冬のような寒さ。ダウンジャケットを着込んで出発です。
草むらを抜けてビーチに到達。あとはアシカに出会えることを祈りながら、ひたすら砂浜を歩いていきます。果たしているのでしょうか……?
と、砂浜を10分ほど歩いていたら、いたーっ!
波打ち際をゆうゆうと泳ぐ一頭のアシカ。ほとんどその姿を水の下に隠してしまっていますが、つるんとした黒い体は間違いなくアシカです。
できれば陸に上がった姿も見てみたかったものの、すぐに海へと泳いで帰っていってしまいました。
いや〜、早くも一頭見つけてしまいましたよ。これは幸先がいいんじゃないですか?
……などと思ったものの、その後は行けども行けどもまったくアシカの姿が見つからず。風がどんどん強くなり、気温も下がるばかりです。こうも寒いと、アシカも海から出てくる気にならないのでしょうか?
このあたりで切り上げて、また天気のいいときに探しに来ることにしよう。そう思って宿に帰ることにしました。
宿に戻る直前で巨大なアシカを発見!
ところがなんと! もう少しで宿に着くというところで、波打ち際の流木のそばに巨大な影を発見。
おそるおそる近寄ってみると、どでかいアシカがいるじゃないですか!
体長2〜3メートルにも達するという、ニュージーランドアシカのオスです。実際目の前にすると威圧感がすごい。保護のためにアシカから10メートルは離れなければいけないルールなのですが、恐ろしくて10メートルも近づけません。
だって、万が一ケンカになったらボコボコにされるじゃすまないぞ。
ところが、しばらくすると浜辺を地元民がスタスタ歩いて来て、僕とアシカの間を平然と通り抜けていきました。この巨大なアシカさん、どうやら人間をなんとも思っちゃいないようです。
10分ほどカメラを構えていましたが、アシカはこちらに視線を向けることすらしませんでした。自分のような小物になど目もくれない、王者の風格。
アシカは英語で「シーライオン」と呼ばれますが、その立ち居振る舞いも含めて「海のライオン」にふさわしく感じられます。
最初は怖かったけれど、眺めているとだんだんかわいく思えてきます。いや〜、こんな立派な姿が見られてよかった。地球に感謝。
ニュージーランドは湖や山の景色が注目されがちですが、海辺に住む動物たちとの出会いも思い出に残ります。皆さんも巨大なアシカに会いに「スーラットベイ」に来てみてくださいね〜!