日本から見て地球の真反対、南半球のニュージーランドで暮らしていて最も恋しくなる食べ物のひとつがタラコである。
この国では日常的に魚卵を食べる習慣がなく、タラコは日系スーパーで冷凍ものがひっそり売られている程度、それも1パック10NZD(約750円)近いお値段で気軽に買えるものではない。
コンビニで買えるタラコおにぎりが一時帰国でのなによりの楽しみである自分は、時折タラコのことを遠距離恋愛中の恋人のように思い出しては涙にむせぶのだ。ニュージーランド生活の切なさ、ここに極まれり。
さてある日、いつものように近所のスーパーで買い出しをしていると、鮮魚コーナーの片隅に見慣れない缶詰を発見した。
むむっ……?
「CAVIAR COD(タラの魚卵)」?
もしかしてタラコの缶詰なのか!?
お値段およそ6NZDと、冷凍のタラコを買うよりは割安だ。
しかしタラコの缶詰とは聞いたことがない。
ほんとうにタラコなのか、そしてどんな味なのか。
実際に確かめてみようじゃないか。
いざ開封の儀
と、言うわけで買ってきた。
冷蔵コーナーに陳列されていたので、缶詰ではあるがキンキンに冷えている。
成分表示を見てみると、タラコのほかに塩とヒマワリ油が主な原材料のようだ。
余計な味付けがされていない分だけ期待が持てる。
よし、いざ開封だ!
おおっ……
これは………ッ!
うおおおーーーッ タラコだーーーーーッ!!!!!
(興奮しすぎて焦ってスプーンを入れてしまいました)
中には、思った以上にぎっしりとタラコが詰まっていた!
缶を埋め尽くすピンクの宝石たちが、つやつやと艶めかしい輝きを放っている。
なんと神々しい……。
見た目は文句なしでございます。
まずはそのまま食べてみよう
とりあえずスプーンですくってみる。
よく見るとタラコのつぶつぶの形はあまり残っておらず、タラコのペーストといった感じ。
いったいどんなお味がするのだろうか。
どきどきしながらスプーンを口にいれると……
これは紛れもなくタラコだ!!!
ガツンとくる塩気に、鼻から抜ける魚卵の香り。
変に生臭さもなく、日本人が期待するタラコの味そのまんま。
小学生のころの僕にこれを渡したら、あっという間に一缶なめつくして親からこっぴどく叱られていたであろう。
つぶつぶ感があまりないのが気になるが、さすがにそこまで高望みはするまい。
ニュージーランドのスーパーマーケットでこの品質のタラコが手に入るなら文句なし!
定番の食べ方を試してみよう
やっぱりタラコといえば、ほかほかの白ごはんでしょ。
贅沢にどーんとのせて食べてみる。
筆者は少食なのだが、それでもお茶碗にがっついてしまう旨さ。
やはり塩気の効いた魚卵に白米という組み合わせにハズレはない。
しかし、つぶつぶ感が弱いぶん物足りなさは否めない。
20年前のコンビニで売られていたタラコおにぎりって、これくらい頼りない食感だった気がするなぁ。
またヒマワリ油が混ざっているので、だんだん口の周りが油っぽくなってくる。
いっそのこと、バターを落として油を楽しむ方向にシフトしたほうが美味しいかもしれない。
ならば大本命のたらこスパゲティならどうか?
これならつぶつぶ感の弱さもあまり気にならないだろう。果たして?
もう予想通りすぎて真顔になる旨さである。
すでに油が混ざっていることで、スパゲティとよくからむ。
生たらこと違って、皮から中身をこそげ取る手間もない。
缶詰ひとつでできるお手軽レシピの完成だ。優勝!!
まとめ 〜スーパーで見かけたら即買おう〜
タラコの缶詰、家庭に常備しておいてまったく損のないおいしさだった。
スプーンにたっぷりタラコをすくって食べられるだけでも生活の質が上がるというもの。
常にスーパーで売られているわけでもないようなので、見かけたら即買うのをおすすめします。
最後に注意点をひとつ。
缶詰とはいえ要冷蔵なので、冷蔵庫に入れるのを忘れないでください。
僕は最初に買った一缶をうっかり常温で放置してダメにしちゃったので、また買い直すハメになりました。
保存方法にだけは気をつけて、楽しいタラコライフを!!